第13章

江原安美が目を覚ましたとき、鼻腔いっぱいに消毒液の匂いが満ちていた。

ぼやけていた視界がゆっくり輪郭を取り戻し、自分が病室のベッドに横たわっていることに気づく。手の甲には点滴の針。

窓の外は鉛色で、雨はまだ降り続いていた。ガラスを叩く音が、細かく、絶え間なく続く。

彼女は反射的に腹に手を当てる。

「目が覚めましたか?」

ドアが開き、看護師が入ってきた。江原安美が目を開けているのを見るなり、足早に近づいて機器の数値を確認する。

「最近かなり無理してますね。昨日も採血しましたし、体が持たなくて倒れたんです」

点滴の速度を調整しながら、看護師は顔を寄せた。

「今、具合はどうですか?...

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