第133章

釘は小さい。だが新品で、自然に抜け落ちたものには見えなかった。

『安美、変だと思わないか?』川崎佑哉は振り返って彼女を見た。『川崎家の本家は毎日使用人が掃除してる。床に釘なんか落ちてるはずがないだろ。しかも、ちょうどおまえのスリッパの中に、だ』

江原安美は唇をきゅっと結ぶ。『分かってる。誰かがわざと入れたんだよ。でも、まだ誰がやったのか分からないし……大ごとにはしたくない。お爺さん、まだ具合が悪いでしょ。刺激したら、何が起きるか……』

川崎佑哉は釘を拾い上げ、掌の中に収めた。『この件はおまえが気にするな。俺が片をつける』

『お願い、絶対にお爺さんには言わないで』江原安美は念を押す。『...

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