第140章

ベッドの上には大きなぬいぐるみのクマ。床にはふかふかのカーペット。部屋の隅には玩具専用の棚があって、そこには玩具がきちんと並べられていた。

バービー人形、レゴ、パズル、お絵かきボード……何でも揃っている。

甘美はその場に立ち尽くし、目をまん丸にした。

こんなにたくさんの玩具を見たことがない。ましてや、自分のものとして触れたことなんて――。

『甘美さん、どれで遊びたい? 取ってあげる!』

稲子が気前よく言う。

甘美は、いちばん大きなバービー人形を指さした。

稲子は迷いなく棚からそれを取り出し、差し出す。

『これ、わたしがいちばん好きなやつ。大事に遊んでね』

甘美は人形を受け取...

ログインして続きを読む