第141章

彼が家に着いたとき、救急車はちょうど走り去ったところだった。甘美はすでに病院へ搬送されている。

稲子はリビングの隅にうずくまり、膝を抱えたまま、息が詰まるほど泣きじゃくっていた。

『川崎おじさん……!』

川崎佑哉の姿を見つけるなり、稲子は泣きながら飛びついてくる。

『わたし、甘美さん押してない……ほんとに押してないの……! どうして甘美さん、階段から落ちたのかも分かんない……さっきまで、さっきまで普通だったのに……!』

言葉は途切れ途切れで、肩がひくっと震える。しゃくり上げるたび、小さな胸が苦しそうに上下した。

川崎佑哉はしゃがみ込み、稲子を抱きしめて背中を撫でた。

『分かって...

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