第155章

間一髪――稲子へ振り下ろされようとした刃の前へ、稲妻みたいな影が駆け込んだ。

川崎佑哉が、分厚い掌を伸ばす。

そして、子どもに突き立つ寸前だった鋭い刃を、ぎゅっと握り締めた。

『ズッ――』

皮膚を裂く音が、やけに鮮明に耳へ刺さる。

熱い血が一気に掌から溢れ、刃を伝ってつうっと落ち、艶のある緑の床へぽた、ぽた、と滴った。

激痛が走っても、川崎佑哉は眉ひとつ動かさない。

手首に力を込めて刃をひねり返し、同時に足を上げると――林原礼美の腹へ、全力で叩き込んだ。

『あっ!!』

凄惨な悲鳴。

林原礼美の身体は、糸の切れた凧みたいに吹き飛び、どさりと床へ叩きつけられる。手にしていた果...

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