第159章

周防明也は江原安美の数言に押し返され、顔色が青くなったり白くなったりと忙しい。瞳の奥には苛立ちがべったり張りついていた。

『上の名前を持ち出して俺を黙らせるな! 江原安美、ほかの連中がそれで引くと思うなよ。俺は引かない』

江原安美は冷ややかに一瞥するだけで、これ以上相手をする気もないとばかりに踵を返し、オフィスを出た。

会議は成立しなかった。けれどプロジェクトは待ってくれない。江原安美は自分のアトリエへ戻り、周防明也のチームが事前に提出してきた基礎資料だけを頼りに、デザインを起こすしかなかった。

三日後。

江原安美は一次案のジュエリーデザインを携え、再び川崎グループを訪れた。

会...

ログインして続きを読む