第161章

「調べろ。やりたくないなら、代わりはいくらでもいる」

川崎佑哉の薄い唇が、わずかに動いた。

小村助手は即座に意図を汲み取り、黙って頷くと部屋を出ていった。

宮坂志剛はこの会社で八年、周防明也は五年。

これまでは、多少なりとも使い道があると思えば、見て見ぬふりもできた。

だが――あいつらは江原安美に手を出した。

もう、目をつぶれるはずがない。

小村助手の仕事は早かった。

二時間も経たないうちに、分厚い資料の束が川崎佑哉のデスクに置かれる。

「川崎様。こちら、宮坂様の直近三年分の経費精算記録です」

小村助手はファイルを開き、項目ごとに淡々と報告した。

「宮坂様が担当した案件...

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