第167章

江原安美は、その叫び声で完全に意識を取り戻した。

勢いよく顔を上げる。目に刺さるような白い光に、思わず瞼を細めた。

光に慣れて、目の前に立つ人物を認識した瞬間――瞳孔がきゅっと縮む。

鈴村千雪。

どうして、ここに。

鈴村千雪は黒のタイトドレスに身を包み、隙のないメイクを施していた。口元には、勝ち誇った笑み。

その背後には男がひとり。二十代前半といった年頃で、顔立ちは川崎佑哉にどこか似ている。だが眉間に居座る陰りが、目つきをいっそう陰湿に見せていた。

「驚いた?」

鈴村千雪がヒールを鳴らしながら歩み寄り、椅子に縛りつけられた江原安美を見下ろす。

「まさか自分から、あたしの手に...

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