第24章

江原安美は母の言葉を聞きながら、全身の血がすうっと冷えていくのを感じていた。

川崎佑哉が、両親の前でこんなふうに事実をねじ曲げるなんて。

「お母さん、違うの……」

弁解しようとした瞬間、母に遮られる。

「安美。悔しいのは分かるよ」江原お母さんは彼女の手をきゅっと握った。「でもね、夫婦ならケンカのひとつやふたつ、あるものだよ。佑哉くん、あの子は……本気であなたのことを大切にしてるって、母さんには分かる」

「本気なら……あんなこと、しない」

「……あんなことって、なに?」江原お母さんが食い下がる。

江原安美は口を開いた。けれど結局、言葉を飲み込んだ。

川崎佑哉は、両親の中ですでに...

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