第29章

その頃、K市。

川崎佑哉は病院を出たばかりだった。

鈴村千雪は数日間の入院経過観察を経て、容体は安定。明日には退院できるという。とはいえ帰宅後もしばらくはベッドで安静が必要だ。

佑哉は三人体制の介護スタッフを手配し、24時間交代で付き添わせることにした。

車へ乗り込むなり、彼は疲れたように眉間を揉んだ。

江原安美がどこへ行ったのか分からない。何度か電話を入れても、いっさい出ない。

胸の奥に、どろりとした苛立ちが溜まっていく。

彼はスマホを取り出し、SNSを開いた。安美がこの数日なにか投稿していないか確認するためだ。

以前の江原安美は、些細なことでも必ずと言っていいほど載せた。...

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