第71章

「知らん」

川崎お爺さんは湯呑みに口をつけ、のんびりと茶をすすった。

「おじいさん、彼女は出産したばかりで、まだ身体が――」

川崎お爺さんはちらりと佑哉を見やる。

「おまえに何の関係がある」

その先の言葉が、喉の奥でつかえた。

――そうだ。自分に、何の関係がある?

「自分の暮らしをちゃんと守れ。もう二度と、あの子を煩わせるな」

言い捨てると、お爺さんは立ち上がり、手にした剪定ばさみで目の前の観葉植物をちょきちょきと整え始めた。

川崎佑哉は、ここでは何ひとつ掴めないと悟った。結局、自分で探すしかない。

だが今回は、どうしても江原安美たちの足取りが追えなかった。

四年後。

...

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