第74章

川崎お爺さんはふう、と息を吐いた。

『お前が何を心配してるかは分かってる。安心しろ。わしはまだ死んどらん。わしがいる限り、あいつは好き勝手できん』

江原安美は知っている。お爺さんなら、川崎佑哉を抑えられる。

けれど――お爺さんだって、いつまでも若くはない。

一生、あの男を押さえつけていられるのだろうか。

安美は視線を落とした。

『お爺さん……もう少し、考えさせてください』

川崎お爺さんは小さく頷き、それ以上は何も言わなかった。

江原安美は稲子を連れて車に乗り込む。

車が走り出してから、ふと振り返ると――川崎お爺さんはまだ門の前に立ち、こちらを見送っていた。

四年前より白く...

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