第77章

空港の到着ロビー出口は、人でごった返していた。

江原安美は稲子の手を引き、背伸びして人波の向こうを覗き込む。

そのとき、稲子がぱっと声を上げた。

『おばさん! 陸田おじさん!』

視線の先に、陸田明広がスーツケースを押して現れた。

その上には綿子がちょこんと腰掛け、両手でハンドルを握ったまま、目尻をきゅっと下げて笑っている。

綿子は二人を見つけるなり、スーツケースからぴょんと飛び降りて駆けてきた。

『お姉ちゃん! 稲子!』

稲子は江原安美の手を離し、勢いよく抱きつく。

『おばさん、会いたかった!』

綿子は稲子を抱き上げ、頬にちゅっとキスをした。

『私も会いたかった!』

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