第83章

周防岩人はわざとらしく咳払いを二つして、場の空気をほぐそうとした。

『ええと……江原さん。さっき、どこまで話しましたっけ?』

『あ、そうだ。デザインコンセプトです。「新生」シリーズに伝統文化の要素を入れたいっておっしゃってましたよね。すごくいいと思います。もう少し掘り下げて話しましょう……』

江原安美はこくりと頷き、途切れた糸を結び直すように自分の案を言葉にしていく。

向かいの席には川崎佑哉。

彼はただ静かに耳を傾けていた。

彼女が話すときの目は、まっすぐで、揺れない。表情も真剣そのもの。

――この四年で、彼女は変わった。

自立して、しなやかに強くなって、そして以前よりずっと...

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