第90章

鈴村千雪の顔色がさっと変わった。『あんた、何様のつもり? 佑哉を狙うなんて身の程知らずもいいところよ』

伏木織子はくすりと笑う。『私が何者でもいいでしょ。少なくとも、名分もない浮気相手のあなたよりは『格』があるわ』

鈴村千雪は悔しさに手が震えた。『どうしてそんな侮辱ができるの?』

『自分から日陰の浮気相手になっておいて、言われたくないって? 都合よすぎ』

『この悪い女! ママをバカにしたな! ぶっ殺してやる!』鈴村裕司が拳を振り上げ、伏木織子に殴りかかった。

伏木織子は乱暴に突き飛ばす。裕司はよろけて――どさっ、と仰向けに転んだ。

鈴村千雪は慌ててしゃがみ込み、息子を抱き起こす。...

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