第91章

アシスタントは一瞬ためらってから答えた。

『……こちらで掴めた情報では、子どもが川崎佑哉さんの子だと証明できるものはありません』

伏木織子は資料を机に置き、ソファに身を預けたまま視線だけをそこに落とす。

もし、あの子が本当に川崎佑哉の子だとしたら――話は彼女が思っていたより、ずっと面白くなる。

織子はスマホを取り、番号を押した。

『もしもし。そちらの工房の責任者の方とお約束したいの。ジュエリーを一式、オーダーでお願いしたくて』

江原安美がその依頼を受けたとき、正直、意外だった。

依頼主は伏木グループの令嬢。しかも名指しで、彼女にデザインをしてほしいという。

妙だ。こういう「お...

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