第8章

悟視点

深夜、人気のない郊外の道で、俺はハンドルを握りしめていた。涙で視界が滲む。いつもは静かな帰り道だが、今夜は不気味なほどにがらんとしていた。希美の青白い小さな顔と、痩せこけた玲奈の姿が、脳裏に次々と浮かんでくる。

「なんてことをしてしまったんだ……」俺は苦悩の声を漏らした。

バックミラーに、大型トラックのヘッドライトがどんどん明るくなっていくのが見えたが、罪悪感に苛まれていた俺は、それに注意を払わなかった。

突然、車体が激しく揺れた!

ガシャァァン!

背後からの巨大な衝撃で、俺の車は一瞬にしてコントロールを失った! ハンドルが手の中で激しく震え、車は路肩のガードレ...

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