第105章 彼女は殴られるべきではないのか?

結城凝香は葉月清奈を甘やかす気などさらさらなかった。秘書が嘘をつくはずもない。――これは、葉月清奈がやったことだ。

次の瞬間、凝香の手がひゅっと翻り、乾いた音が廊下に響いた。

ぱんっ。

葉月清奈の頬に平手打ちが叩き込まれる。紀藤瑛介を殴ったときよりも、ずっと容赦のない一撃だった。頬はみるみる赤く腫れ上がり、葉月清奈は顔を押さえたまま、涙をぽろぽろ落とす。

「な……なんで、私を叩くの……」

そのとき、手術室の扉が開いた。ストレッチャーで運ばれてきたのは倉本浩。麻酔がまだ抜けきっておらず、意識は戻っていない。

結城凝香は紀藤瑛介と葉月清奈を放り出し、すぐさま医師のもとへ駆け寄った。

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