第117章 何だって、もう一度言ってみろ?

見つからないように身を潜めた場所は、病棟から少し離れていて、しかも見通しがあまり利かなかった。

けれど藤井星蘭は、そこだけは嘘をついていなかった。ほどなくして、数人の一団が病室のほうへ向かっていく。

その集団の真ん中にいる人物を見た瞬間、結城凝香は全身の血が引くのを感じた。

あの服装。あの立ち姿。

顔までは判別できない距離でも、わかってしまう。見間違えるはずがない。

葉月祐希も、どこか引っかかるものがあったらしい。首をかしげて小声で言う。

「凝香、なんか……あの人、見覚えある気がする。でも誰だっけ。凝香、わかる?」

「私も、ちょっと見覚えはあるけど……遠すぎて顔が見えないわ。あ...

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