第15章 身分が暴かれ、彼女こそがRubyだ

株式譲渡の話で呼び出したのは表向きだけ。本当の狙いは、自分に口利きをさせることだったのだ。

やっぱり――と、結城凝香は心の中で冷たく笑う。紀藤瑛介が、あっさり自分の要求をのむはずがない。

紀藤グループの株式の大半を握っているのは、実際には紀藤正博だ。紀藤瑛介も一定数は保有しているが、そこから15%を彼女に渡せば、手元に残る分は大きく削られる。

それは、そのまま社内での発言力と支配力の低下につながる。簡単に承諾するほうが、むしろ不自然だった。

結城凝香も、ある程度は予想していた。

持ち分を半分にするとか、せいぜい5%を提示してくるとか。その程度の駆け引きはあるだろうと。

なのに、ま...

ログインして続きを読む