第16章 本当に、自分が何を望んでいるのか分かっていますか?

その声に、店内の視線が一斉に集まった。

来た人物を見た瞬間、紀藤瑛介の目に喜色が走る。

そこに立っていたのは、まさに彼が会いたくても会えずにいた相手――Rubyの秘書、莉々だった。

莉々はずっと海外にいたはずだ。いつ日本へ来た?

そんなことはどうでもよかった。

問題は、ここで彼女に会えたという事実だ。

いや、それより――今、莉々は何と言った?

Rubyが……ここにいる?

紀藤瑛介が莉々の視線を追って、Rubyの姿を探そうとするより早く、莉々はすでに彼らのテーブルまで歩み寄り、手にしていたものを結城凝香へ差し出していた。

結城凝香が、Ruby――?

紀藤瑛介も葉月清奈も、信...

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