第19章 欲しい…凝香

紀藤瑛介は、まだ言いたいことが山ほどあった。

だが、その全部が喉の奥でつかえて、とうとう言葉にはならない。

以前はいつだって、結城凝香が話し終える前に、彼のほうが一方的に通話を切っていた。

因果応報、というやつか。

結城凝香が離婚を切り出してからというもの、毎回先に電話を切るのは彼女のほうだった。

紀藤瑛介はふっと自嘲気味に笑う。

――全部、自業自得だ。

それからの日々、紀藤瑛介は会社の仕事をこなし、病院で紀藤正博の見舞いをし、その合間を縫って結城凝香に会う口実を探し続けた。電話も、できる限りかけた。

協業の件も、まだ諦めていない。

それに加えて、壊れかけた夫婦関係をどうに...

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