第35章 ちょっと痛いけど、我慢して

紀藤正博の体調が気がかりで、病院を出たあと、紀藤瑛介は結局そのまま本邸へ戻った。

ところが、紀藤正博はまだ寝ていない。リビングのソファにどっかと座り、いかにも不機嫌そうに腕を組んでいる。

瑛介は眉を寄せた。

「じいさん、こんな時間まで起きて何してるんだ。医者にも休めって言われただろ。無理したら身体に障る」

「ふん」

正博は鼻を鳴らし、瑛介を睨み上げる。

「また病院へ行って、葉月の奴の相手でもしてきたんだろう。凝香のところには行ってない。そうに決まってる。お前は凝香に濡れ衣を着せたんだぞ。謝りにも行かんのか」

「……じいさん、どうして清奈にそんな偏見があるんだ」

瑛介は言い返し...

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