第45章 君だけが欲しい

その頃には、秘書がもう着替えを別荘まで届けていた。

結城凝香は服を受け取ると、寝室へ入って着替える。

用意されていたのは、黒の半袖ワンピース。丈は膝下まであり、裾にだけ控えめな模様が入っている。簡素で、上品だった。

秘書が来るまでのあいだに、結城凝香はこの別荘の間取りをひと通り把握していた。

きちんと寝室として整えられているのは一部屋だけ。

気は進まなかったが、着替えるにはそこへ入るしかなかった。

一方、紀藤瑛介の身体には再び熱がこみ上げていた。

そこでようやく悟る。あれは酒のせいでも疲れでもない。薬だ。しかも、おそらく葉月家にいる時点ですでに盛られていた。

部屋に媚薬まがい...

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