第48章 彼の心をつかめないのは、お前の力不足だ

結城凝香は口の端をかすかに引きつらせた。

「別に強制はしてないって言うけど……私に選択肢があるの?」

結城秀明は口を開きかけて、言い返せずに詰まる。代わりに結城梅香へ視線を送った。

結城梅香は見るからに悲しげな顔になり、凝香の手を握る指に力を込めた。

「凝香、全部お母さんのせいよ。あの時もっと注意していれば、あなたが攫われてあんな苦労をすることもなかった……私たちはあなたのためを思ってるの。結城家と紀藤家の縁談は、あなたにとってだっていい話なのよ。あなたの立場なら、これ以上の相手なんて……」

結城凝香は深く息を吸い、胸の底で暴れる感情を押し沈めた。

「結城家に娘は私ひとりじゃない...

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