第71章 入学、先生は彼だった…

紀藤正博は、結城凝香の言葉をまるで信じていなかった。きっと紀藤瑛介が何か言ったのだ。そのせいで凝香は出ていこうとしている――そうに決まっている。

凝香の気遣うような声に、正博もさすがに冷たい顔のままではいられない。

「凝香、身体のことはちゃんと気をつける。お前は心配しなくていい。……それより教えてくれ。瑛介に何かされたのか? でなければ、どうして出ていく。ここはお前の家だろう」

結城凝香は、もう誤魔化すのをやめた。ここで曖昧にしたら、明日には正博が電話をかけてきて、戻ってこいと言うに決まっている。

「お爺様、違うの。私、学業を続けようと思って……大学に戻るの。寮生活が必須で、そっちの...

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