第83章 お前、まさかおじいさんに酒を飲ませたのか、殺す気か!

紀藤正博のことが気がかりで、紀藤瑛介は夕食のペースを上げた。葉月清奈もそれに合わせて箸を進める。

二人がレストランを出たところで、結城凝香が紀藤正博と並んで歩き、角を曲がってバーへ入っていくのが見えた。

その瞬間、紀藤瑛介の顔色が一気に悪くなる。

正博は静養が必要な身だ。そんな祖父をバーに連れていくなんて――結城凝香は、わざと自分の神経を逆なでしているのか。

葉月清奈も驚いて声を上げた。

「結城さん、どうしておじいさまをバーに……。おじいさま、体がよくないのに。そんなの、だめですよ……」

「お前は先に帰れ。俺が祖父を本邸に送る」

紀藤瑛介は有無を言わせない声で言った。

葉月清...

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