第85章 お前に二つの選択肢をやる

紀藤瑛介は大学に到着すると、Rubyに会えるはずだと胸を躍らせながら待っていた。ところが返ってきたのは、Rubyは急用ができて先に帰ったという知らせだった。

――せっかく来たのに。

落胆しつつも、瑛介は人の波を見渡した。さっきから結城凝香の姿がない。彼女なら、誰よりもRubyに会いたがっているはずだ。なのに、どうして見当たらない。

瑛介はすぐ凝香に電話をかけた。しかし繋がらない。電源が切れている。

胸の奥が、嫌な形でざわついた。

近くにいた葉月祐希を捕まえて尋ねる。

「祐希、今日、結城凝香を見たか。朝は大学に来たはずなのに、見つからないんだ」

祐希は首を横に振った。

「ううん...

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