第102章

『もしもし、通報したいんです!』

 和泉静留は手がひどく震えていた。声も同じくらい揺れている。けれど、言葉だけは妙に芯が通っていた。

 彼女は息継ぎもそこそこに、母が置かれている状況をかいつまんで説明する。

『警察の方ですよね。母は父に連れて行かれたんです。確実です。証拠の動画もあります。父が私に送ってきたものです。それに和泉家の場所も分かっています。今すぐ位置情報を送ります』

 和泉静留は最短で話をまとめ、警察とのやり取りを終えると、上着をひっつかんで階段を駆け下り、タクシーを拾うつもりで玄関へ向かった。

 だが、ドアを開けた瞬間――。

 外には、心配そうな顔をした子どもが三人...

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