第106章

『ボス、これで意識を失われて二日目です』

医者はそう、はっきり告げた。

だが言い終えるより早く、平岩空人の表情が一変する。彼は手の甲に刺さっていた点滴の針を乱暴に引き抜き、ふらつきながらもベッドを降りて、外へ飛び出そうとした。

『ボス、何を――!』

今度ばかりは、見ているだけでは済まされない。医者たちが慌てて前に出て、平岩空人の進路を塞いだ。

『助けに行く』

平岩空人はそれだけ吐き捨てると、頭を低くしたまま前へ進む。

相手は重傷者だ。無理やり押さえつけるわけにもいかず、医者たちは後ずさりしながら必死に諭した。だが平岩空人は、まるで耳に入っていない。

そのとき――組織の周防正平...

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