第112章

事実、警察が和泉国見をマークした時点で、本人の耳にはすでに情報が入っていた。

商売の世界で長年揉まれてきた和泉国見には、独自の情報網がある。警察署と癒着しているわけではない。だが顔の利く相手は多い。だからこそ、パトカーがこちらへ向かっていると知った瞬間には、もう姿をくらませていた。

とはいえ、警察が自分を見失ったからといって引き下がるはずがない。周辺をしらみつぶしに捜すに決まっている。止まれない。走り続けるしかなかった。

追う側と逃げる側の消耗戦は、きっかり4時間続いた。

気づけば県境を越え、近隣の街まで来ている。4時間後には深夜。あと2、3時間もすれば空が白む。

そこでようやく、...

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