第131章

ここ数日、和泉静留はろくに眠れていなかった。昨夜に至っては、ほとんど一睡もできていない。

午後に少しでも仮眠を取ろうとは思った。けれど、自分が眠っている間に平岩空人の身に何かあったら――そう考えると怖くて、結局、意地で起きていた。

平岩空人は小さく首を振る。

『大したことじゃない。ただ、誰かに連れて行かれるのが怖いだけだ』

和泉静留は一瞬きょとんとして、

『……それって、あなたの部下のこと?』

平岩空人がうなずくのを見て、静留は唇を軽く噛んだ。少し迷ってから、ふっと笑う。

『むしろ連れて行ってくれたらいいのに。そうしたら、私は楽になる』

平岩空人がじっと彼女を見る。

『それ...

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