第137章

平岩空人がふいに言った。

『平岩景也には実の母親がいない。母親を恋しがるのは、当たり前だろ』

『……じゃあ翔太と華蓮は父親がいない。あの子たちだって、父の愛情を欲しがるはずじゃないか?』

『そうね』

和泉静留は否定せず、小さくうなずいた。瞳の奥に、かすかな後ろめたさがよぎる。

平岩空人はゆっくりと上体を起こす。

『この前、見送りのときに景也の母親のことを聞いただろ。今度は俺が、翔太と華蓮の父親のことを聞いてもいいか?』

和泉静留は目を見開き、はっと顔を上げた。ちょうど、期待に満ちた平岩空人の視線とぶつかる。

『勘違いするな。ただの興味本位だ』

そう言いながら、どこか「隠そう...

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