第40章

屈強なボディガードが二人、左右から和泉静留の腕をがっちりと掴んだ。

力任せの拘束に、身じろぎひとつまともにできない。

叫び声が喉までせり上がった瞬間、片方が手際よく口を塞ぐ。その動きがあまりに慣れていて、背筋が冷えた。

「和泉さん、叫ばないほうが身のためです」

耳元で低い声が落ちる。

「ここにいるのは江原家の関係者ばかり。騒げば騒ぐほど、みっともないだけですよ」

静留は目を見開き、必死に首を振った。けれど二人に挟まれたまま、引きずるようにホテルのロビーを連れ出される。

人目につきにくい隅での出来事だった。通りかかる客も少なく、わずかに気づいた数人も、もう一人が体でさりげなく視界...

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