第42章

和泉静留は氷みたいに冷たい窓ガラスに背を預け、恐怖と怒りで体を小刻みに震わせていた。

――ダメ。絶対に、このままやられるわけにはいかない。たとえ相討ちになってでも、江原信也の好きにはさせない。

静留の視線がテーブルの上を走る。灰皿、それに花瓶。どれも、いざという時に手に取りやすい。

そうして息を潜めたまま固まっていると、浴室の水音がようやく止んだ。続いて、ドアノブが回る音。

やけに大きく、はっきり聞こえる。自分の鼓動と同じくらい――いや、それ以上に。

江原信也が出てきた。

静留は反射的に目を見開き、次の瞬間、慌ててきつく閉じる。

何を……見せられた?

江原は、バスタオルすら巻...

ログインして続きを読む