第49章

手のひらの黒いカードを見つめ、和泉静留はわずかに眉をひそめた。

「このカードに入ってるのは、この間……俺の世話をしてくれた礼だ」

平岩空人は真剣な目でそう告げた。だが静留は次の瞬間、黒カードを彼の手へ押し戻す。

「受け取れません。あの時、あなたが黒カードを渡したでしょう? あれで、私がもらうべき分はちゃんと払ってもらってます。ここでまた受け取ったら……私、何になっちゃうんですか」

拒まれ、平岩空人の眉間に深い皺が寄る。

「別に他意はない。ただ、礼がしたいだけだ。……それに、その程度の金、俺にとっては大したことじゃない」

薄い唇をきゅっと結び、拒絶を許さない気配が顔に滲む。

けれ...

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