第52章

「落ち着いてください。いま問題なのは、あなたが認めるかどうかじゃありません」

警官の態度は比較的冷静だった。

「事件が起きた以上、こちらは公正に捜査します。善良な方が不当な扱いを受けるようなことは、決してありません」

「ただ、いまは証拠を集めている段階です。ですから、しばらくお待ちください。ご安心を。こちらでも状況は把握していますから」

警察にそう言われてしまえば、和泉静留も、たとえ胸の内に言いたいことがあっても口に出しづらい。

理由はうまく説明できないのに、なぜか確信だけはあった。――これは、ただの揉め事じゃない。

とくに「手加減している」という言い方。その一言が、何よりの証拠...

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