第56章

「和泉さん。暴行に及んだ連中、確保できました」

和泉静留の胸が、どくんと跳ねた。

「供述は……? 誰かの指示だったんですか?」

心臓が飛び出しそうだった。

あの匿名のメッセージ。文脈も何もない、ぶつ切りの短文。けれど静留には分かっていた。あれは和泉白子が送ってきたに違いない、と。

警察が「進展があった」と言うのなら――白子にまで捜査の手が伸びた、ということなのか。

だが、目の前の警察官は静留の真意を汲み取らないまま、資料の束を机の上にすっと滑らせた。

「相手は前科持ちのチンピラです。口も態度も悪くて、反省の色は薄い。静岡館長を殴る前から、余罪が山ほどあります」

静留は資料を受...

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