第66章

和泉静留はもう取り繕う余裕もなく、スマホを取り出して腕時計の位置情報を開いた。

けれど華蓮の持ち物は、どうやら根こそぎ奪われたらしい。腕時計の反応は、ある一点からぴくりとも動かない。

平岩空人も、問い詰めている時間はないと判断したのだろう。

すぐさま私用のスマホを取り出し、どこかへ素早く発信する。

『A市西郊、栖霞山一帯。使用可能なリアルタイム監視映像とドローンの熱画像を全部引っ張れ。対象は4、5歳の女児。ピンクの上着、デニムのサロペット、ツインテール』

通話を切ると、顔色を失い、かすかに震えている静留へ視線を向けた。

空人は足早に彼女のそばへ行き、低い声で言う。

『心配するな...

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