第83章

一行がレストランに着いたのは、もう午後5時を回ったころ。ちょうど夕食にいい時間だった。

子どもたちが騒ぎすぎないようにと、和泉静留はわざわざ個室を取っていた。

『今日、なんだか機嫌よさそうだな』

平岩空人が、からかうようでいてどこか真面目に言う。『いつもは悩み事でも抱えてるみたいな顔してるのに、今日はだいぶ違う』

『そりゃそうでしょ』

静留の瞳がきらきらと光り、口元の笑みがふわりと広がった。『今日はあなたのおかげで、あんなにいい家が買えたんだもん。それに、あんな端金で。嬉しくないわけないよ』

『遠慮すんな。今日は俺が払う』

子どもたちは大はしゃぎで、個室の中を行ったり来たり。

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