第90章

最後には、和泉静留と平岩空人の粘り強さが、ついに和泉母の心を動かした。

二人が息を合わせて頼み込み続けた結果、和泉母はようやく折れて、家に戻ることを承諾する。

「ママ、じゃあ早く荷物まとめて。もうすぐ帰ろう」

ようやく家族が揃う。そう思った瞬間、静留の瞳にぱっと喜びが灯り、声にも自然と弾みが混じった。

和泉母はそんな娘を笑って見つめ、こくりとうなずく。

「ええ。ここで少し待ってて。荷物なんて大してないから、すぐ終わるわ」

その場は和やかな空気に包まれ、荷造りをしながら、帰ったら何を買い足そうかと話まで弾んだ。

一方その頃、和泉国見のもとには秘書から電話が入っていた。

「和泉様...

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