第108章

ウェズリーは言葉を失った。

反射的に、嫌悪で一歩あとずさる。

目の前の仮面は、牙をむき出しにして唸る犬の顔を模していた。その歯の白さが、醜悪さと威圧感をいっそう際立たせている。

だが、彼をさらに苛立たせたのは汚さだった。

いったいどこで拾ってきたものなのか。土と埃にまみれ、後ろの紐には泥がこびりついている。

ウェズリーに、そんなものをかぶる気はない。

「着けたくないの?」と問われ、彼は迷いなくうなずいた。

アメリアは小指で仮面の後ろ紐を引っかけ、もう一度彼へ差し出した。「もう我慢の限界よ。これが最後。着けないなら、出ていって」

ウェズリーは数秒、身動きできずにいた。葛藤が顔に出...

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