第四十四章

「え? ニラシスを出て、ルミナス・タウンに行ったのか?」

チェイスが電話に出たのは、家族が朝食のテーブルを囲んでいる最中だった。声は最初こそ大きかったが、近くに座るアメリアへちらりと視線をやると、次第に抑えた調子へと変わっていく。

静かに食事をしていたアメリアは、その聞き覚えのある地名が耳に入った途端、スプーンを宙で止めた。そうして椀の粥を、最後のひと口だけすくって口に運ぶ。

チェイスはある名前を慎重に避けながら言葉を継いだ。「なんでそこへ? マヤがニラシスに行けって言ったんだろ。まだ数日しかいないのに、なんで戻ってきたんだ?」

受話器の向こうの声は低すぎて、ほかの誰にも聞き取れない。...

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