チャプター 24

アメリアは大きく開けた窓辺に腰を下ろし、指先で首飾りのなめらかな漆の感触をなぞった。黙ったまま心をつなぎ留めてくれる、小さな錨のようなものだ。

長いあいだ部屋に響く音といえば、彼女が紙の上へと旋律を注ぎ込むたび、ペン先がかすかに刻む規則正しい擦過音だけだった。

ふと手を止める。目を閉じ、足先で一定の拍を取りながら、頭の中で編曲が花開くのを聴く。几帳面にいくつか手直しをすると、今度は音楽制作ソフトに切り替え、デジタルの譜面へ写し取る作業に入った。

その流れを、控えめなノックが断ち切った。「アメリア? 果物を持ってきたの。入ってもいい?」

「うん、どうぞ」アメリアは答えた。視線は画面と扉の...

ログインして続きを読む