チャプター 56

ヘイゼルは、その瞬間自分の中で何が起きたのか、どうしても理解できなかった。たぶん、メイソンの尊大な母親にぞんざいにあしらわれたことが許せず、矜持がかっと燃え上がったのだろう。それで、思っていたよりもずっと過激な言葉が口をついて出てしまった。

いったん唇からこぼれ落ちた言葉は、もう取り消しようがない。

アメリアは取り乱しもせずに言った。「本当は、あなたも心の奥ではわかっているはずよ。もし本当に彼を愛していたなら、彼のお母さまのことをあんなふうに酷く言ったりしない。なのに、あなたは言った。それでも今さら、家族より自分を選べと彼に望むの? 本気で、そんなことが彼にできると思っているのかしら」

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