第162章

数人が連れ立って何時間も歩き回ったせいで、疲労は限界に達していた。彼女たちはどこかのカフェで一休みしようという話になった。

だが、フランスという国はこれほど広いというのに、どうしてよりによって水鏡美琴に出くわしてしまうのだろうか。

店の入り口に立った零崎折識は、中にいる人物の姿を認めると、すぐに踵を返して店を変えようとした。

しかし、蓮見紅羽がそれを許さなかった。

「何コソコソ隠れてんのよ。同じ会社の同僚なんだから、挨拶くらいしたって取って食われやしないわよ」

蓮見紅羽にそう言われては、零崎折識も覚悟を決めて中に入るしかなかった。

ただ。

後ろ姿は間違いなく水鏡美琴なのだが、そ...

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