第20章

零崎折識が入社した初日から、伊藤諭介は彼女に目を付けていた。

今、彼女のこういう姿を見て、さらに下心が疼くのを感じていた。

彼は席を立つと零崎折識のそばへ歩み寄り、彼女の肩をポンと叩いた。

「零崎秘書は本当に若くて有能だね」

零崎折識の笑顔が一瞬引きつり、周囲の視線も一斉に集まった。

まさか伊藤諭介がここまで大胆だとは思わなかったのだ。

これほど多くの人がいる前で、堂々と体に触れてくるなんて。

零崎折識は笑顔を取り繕って立ち上がった。

「伊藤部長、買い被りすぎです。私はただ運が良かっただけですよ」

その言葉に嘘はない。今回に限っては、確かに彼女は運が良かったのだ。

そうで...

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