第212章

零崎誠良が一瞥をくれると、その瞳には冷ややかな色が宿っていた。

その場にいた者たちは皆、慌てて口を噤む。

すると、誰かが場を和ませようと口を開いた。

「まあまあ、そういきり立つなよ。みんな悪気があって言ったわけじゃないんだ、ただの冗談さ。それより、例のお嬢さんとはどうなったんだ? 口説くって言ってただろ。俺たちに祝杯を挙げさせてくれるのかい?」

ここに集まっているのは、いわゆる富裕層の御曹司たちだ。彼らにとって女など、料理の添え物か、あるいは服や車と変わらないただの装飾品に過ぎない。

だが、例外もいる。

零崎誠良がまさにそうだった。

彼もこれまで数多くの女性と付き合ってきたが、...

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