第240章

病室の中。

水鏡美琴は、悲痛な声を上げて泣き崩れていた。

一方、星野の母は深い沈思に沈んでいた。

(そうね……)

二人の仲が燃え上がっている今、もしあの女が息子に唆され、子供でも身籠ったらどうする?

彼らのような名家において、隠し子騒動は珍しいことではない。だが、星野の母にとって、どこの馬の骨とも知れぬ女が生んだ隠し子など、孫として認めるわけにはいかないのだ。

ましてや、それが長男の血筋となれば尚更だ。

大家族において最初の男児というのは、特別な意味を持つ。往々にして、それが跡取りと見なされるからだ。

(だめよ、絶対に許さない)

星野の母はすぐに腹を括った。

「安心なさい...

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