第250章

確かに部屋には様々なものが用意され、至る所から慶事の気配が漂っている。

だが、当の老人たちは皆一様に冷たい表情を浮かべ、まるで怒気を孕んでいるかのようだった。

星野煌はそっと零崎折識の腰を抱き寄せ、冷ややかな声で告げた。

「改めて紹介しよう。俺の妻であり、この家の将来の『女主人』だ。記憶が確かなら、俺が当主になった以上、妻もそれ相応の立場になるというのがこの家の掟だったはずだ。今後、彼女に対して相応の敬意を払ってもらいたい。さもなくば、俺は当主としての責任と――権限を行使することになる」

大家族というのも悪くない。少なくとも、理不尽な目に遭わずに済む。

零崎折識は星野煌にエスコート...

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